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Harethu

破裂破裂
(2004/11)
久坂部 羊

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デビュー作「廃用身」に続き拝読させていただきました、現役医師作家の久坂部羊さんの第2作目。
前回よりエンターテイメント度は上がってるようでパっと見だけだとよくある医療過誤裁判を描くヒューマンドラマに見えてしまいそうなのですがそこはさすが久坂部さん、登場人物が一癖も二癖もあります。

主人公の医師が理想的な善良な医師に見えて深い闇を抱えてるのは前回と同じくですが、医療過誤を追うジャーナリストがノンフィクション大賞で一発当てようという野望があったり、権力を濫用し民衆を情報操作して推し進めていく官僚の政策に一概に否定できないものがあったり、なんとも現実的で多面的な要素が満載です。

自分自身は自分にも他人にも甘いタイプなので、労働基準法を適用すべきではないとまでいわれる医療従事者の方たちの現場での不満、ディレンマ、それに対する諦観がすごく分かるし、マスコミや民衆が責任も持たずきれいごとしか言わないといいそれを騙してでも過激な政策を推し進めようとする官僚にも共感してしまいます。

しかしこういう風に論文調ではなく、事象を読ませて問題提起ができるというのが小説という媒体の素晴らしいところだと思います、筒井康隆も「読者の誤読の自由」みたいなことをいってましたが、これを読んでどう感じるかは千差万別であると思います。

最後に解説の映画監督の方が映画化したいとおっしゃってた通り、まるで映像が浮かんでくるような作品(佐久間和尚はテリー伊藤でしょ)ですが、恣意的な編集が入りやすい映像化にあたってはなかなか難しいでしょうね、間違ってもハリウッドが買い取って『Harethu』みたいなことにはならないようにorz

なぜか神戸の話が多いと思ったら久坂部先生は神戸液済会病院に勤められていたようです、うちの祖母あたりがお世話になってるかもしれませんな、素晴らしい作品でした、読むべし!
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テーマ : 読書 - ジャンル : 小説・文学

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